―ロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、説得するため、整理するため、の思考道具だ。


ロジックツリーはロジカルシンキングの基礎だといわれている。理由は忘れたが、多分、整理に役立つからだったと思う。整理するときの基本がMECE原則だ。「もれなくダブりなく」整理せよ、という原則である。


ここで大切なのはロジカルシンキングは「正解」を導く道具ではなく、あくまで整理するための道具であることだ。間違っても出た答えが唯一無二の正解だと思ってはならない。(ただし、信じることは重要だ。)その理由が2点ある。


第一に、オーストリアの哲学者、ヴィトゲンシュタインは「ものの分け方は人間の恣意的なものだ」といった。とすると完全なるロジックツリーはないだろう。分け方が恣意的なものだとすると、人間の考え方は民族、出自、家庭環境などで左右されるため、同じ考え方はすくないだろうから、ロジックツリーの正解はありえない。


第二に、MECEで分けるのは基本中の基本だが、これも具体化すればするほどMECEを守るのが難しくなるそうだ。大事なことだがもれもダブりも全体集合を考える必要があって、全体集合を決定するのは必要性だから、どこまでMECEに忠実に分けられるかどうか決定するのは難しい。


この二点はロジックツリーの原則的な部分に関連してくるから、重要な論点である。


よって、ロジックツリー〜導き出される回答は正解ではない。


だが、整理するメリットは以前存在する。メリットを三点挙げる。


第一に、アイディアを生み出しやすい。アイディアの生成には整理という段階が欠かせないそうだ。(ジェームズヤングのアイディアの作り方参照)ロジックツリーを使うと、ある価値観の元に整理できるので、アイディアを生み出す助けになるだろう。これが第一のメリット。


第二に、問題解決に役立つ。実際に、決定木(デシジョンツリー)のように、問題発見や意思決定の家庭でも使われる手法だ。


第三に、わかりやすい。わかりやすいと伝達効率が上がる。プレゼンテーション、レジュメ、文章、これらは情報を伝達するためにある。だからロジックツリーができるようになると、ある程度コミュニケーションがうまくなるだろう。これはコミュニケーションを使う機会がたくさんある、という意味で重要なメリットだ。


このようにメリットがあるので、勉強する価値はあるだろう。