―1:バンガロール


バンガロールはインドの中東部の高原地帯にあります。インドのIT産業の中心地と言われています。インド人IT技術者は世界で重宝されています。技術力があり、賃金も安いからです。2000年問題のときの日本の航空管制コンピュータのプログラムを修正したのはインド人技術者でした。なぜならコンピュータの言語がCOBOLという言語で、是をいじくれる技術者が日本にいなかったためです。


が、しかし、バンガロールがやばい理由はそうした社会科的な興味ではない。上の文章はあくまで前振りだ。


バンガロールがやばい理由は、「混沌」が表現されているからだ。


その混沌は、先進性と後進性がともにあるという構図である。


超近代的なビルディングの前に牛の糞が落ちていて、ベンツが渋滞している理由が牛の歩行で、韓国語と日本語とドイツ語と一通りの観光客が使用する言語を操れるホームレスがいる、という構図である。


是は後進国を嘲笑しているという意味合いではなく、僕はすべてが平均化された日本に対しての対極としての意味合いがあり、こうした矛盾が面白い。矛盾は進化の原動力だ。言い換えたらエネルギーを生み出す何かである。だから、僕にとって、混沌を感じることは享楽なのだ。


その混沌がバンガロールのやばい理由だ。