―イラクをみて


イラクを見て思う。住居は普通だ。電気は通っていないそうだ。だが車は普通に走っているし、繰り返すが建物はほとんど変わっていない。だが、治安は悪化し、電気は止まり、水道から水がでないらしい。


第二次大戦後、町はぼろぼろだった。少なくとも写真で見る限りの敗戦国はそうだ。ベトナムは違った。フエとかの写真はぼろぼろだが、それは市街戦が展開されたためだ。


イラクは違う。少なくとも、建物はまったく変わっていない。ぱっとみ平常そう。


アメリカ軍の戦略に、以下の言葉がある、C4I。指揮系統、情報網を寸断するという戦略だ。似た戦略はソ連にもあった。「三分の一を火力により減退し、三分の一を通信により無力化すれば、残りの三分の一は自壊する」というものだ。ここでも、通信の分断、指揮系統の分断が歌われている。


重要なことは、イラク戦争、以前の湾岸戦争でも、これに忠実に戦われた、ということ。その結果、ハードウェアより、ソフトウェアの破壊、言い換えるとシステムの破壊が行われた。


イラクの現状を見ると、システム、というものがいかに社会を円滑に作動させているか、垣間見ることができる。


また、ぜんじつにかいたが、善良?だった市民が略奪を働いている、という情報を見ると、人間性は制度に規定されていることがよくわかる。そういう意味で静的な制度論も面白いのかもしれない。