―多角


多角的視野を持っていることが重要らしい。とりあえずこれをいっとけばいろいろな人をほめられる。また、喜ぶ。大体のやつが喜ぶということは社会に多角的視野とはいいものなんだ、という認識が普及している、ということだ。


だが、僕は、そこまで多角的にこだわらなる必要はないと思う。


第一に、多角的視野とは、よい意思決定のためなどにあるもので、いわば手段的な意味合いが濃い。多角的視野が社会で共通のよいものになっている、ということは、多角的視野を身につけることが自己目的化している。ともいえよう。


第二に、あるプロフェッショナルになった人、一芸を極めた人の価値観はよい価値観である。言い換えると、応用が利く。とすると、多角的視野うんぬんのまえに、あるプロフェッショナルになり自分の価値観を極めることが先だろう。また、多角的でないから、という理由でプロが排斥されるのがたまらない。


と思いつくままの理由を書いてみた。多分こんなかんじなんではなかろうか?


深さを測らず溝を渡る失敗があるような気がする。