―041207網経論レポート2

エデュケイションビジネスとは、教材の販売など教育に関連するビジネスである。

近年、エデュケイションビジネスの世界では、エンターテイメント性を重視したサービスに期待が集まっている。このうち主なものはゲームである。たとえば、ファミコン時代の「スタディボックス」から、ネットワークを利用した「高校生大学」までそれなりの歴史がある。

エンターテイメントとエデュケイションビジネスの接近の、着眼点は、「ゲームは楽しいものなので、子供が飽きない。だから、動機付けがしやすく、高い効果が期待できる」というものである。例を挙げる。

まず、ファミリーコンピュータに外付けアダプタをつけて楽しむ「スタディボックス」では、調査の結果、数学的な考え方について顕著な効果が現れている。この理由は「子供がやりたいから」である。つまり、子供の動機付けにゲームは有効である。

また、携帯型ゲームの「ポケットチャレンジ」では、細切れ時間を利用でき、テスト頻出のコンテンツを載せたため、一定の効果があった。

このようにエンターテイメント性を教育に結びつけることで効果が上がるといえよう。

一方、問題もある。主に、「楽しさと、身につく学習というものが異なる」点である。これは、学習を定着させるためには、反復学習が必要である。ゲームでは対象が飽きるまで反復は続けられる。しかし、ゲームに飽きてしまうとそれ以上反復は続けられない。その上、ゲームをする人がどれだけ早くゲームに飽きるかといえば個人差がある。という意味である。

この問題を解決しようと、前述の「高校生大学」は始まった。高校生大学は一人で勉強するのではない状況を作り出す。高校生大学ではネットワーク中で自分のほしい情報を提供したり、受け取ったりする中で、各個人は自分にほしい情報を受け取り、集団の中での位地を確認し、成長する。これらは個人差の問題を解決するし、新たな要素も加わっている。

最後にまとめる。エデュケイションビジネスは、「効果的な学習のために必要なので」エンターテイメントと接近している。一方「ゲーム性などの楽しさと効果的な学習は異なる」という問題点も存在する。しかし、基本的な着眼点を生かし、改善を続けている。これらが、エデュケイションビジネスの課題と可能性である。